はてな上場の有価証券報告書から、はてなブログPROアカウント数を推定してみる
株式会社はてなが東証マザーズへ上場したそうです。
なるほど、株式会社が生鮮市場みたいな場所に出て株を売り買いできることになることがどう言う意味を持つのかはいまいち良くわからない。でもおめでたいことのようだ。
というわけで、はてなブログのPROアカウント数を推定してみました。
だって、みんなPROってマーク付いてるじゃない!
いいなPRO。どれぐらい居るんだろうPROの人。
まあまあ居るのかな。*1
はてなブログは、株式会社はてな的には、どういう位置づけ?
まず、はてなブログのPROアカウントって、はてなではどういう扱いなのか。
図1. UGCサービス事業*2
はい、コンテンツプラットフォームというサービス分類です。
はてなブックマークや、Hatena Blog、人力検索はてな。
プラットフォームなので、ナンカその上で作ってもらえる土台を作って、作ってもらうということね。
図2. コンテンツプラットフォームサービスの概要図*3
この図2を見ると、無料サービスを使わせてもらう代わりに、アフィリエイト広告収入が株式会社はてなに入ってる。
その下、有料ユーザーの部分だ!ここがPROアカウントの人達だ!
サービス別売り上げ比率からマックスの金額を出す
どれだけ人数をいるか見たいんだけど、なんか載ってなかった……
じゃあ、しょうがないので、コンテンツプラットフォームは、どんだけ稼いでるのかを調べる。
図3.株式会社はてな サービス別販売高割合*4
はてなは、8月1日~翌年7月31日までを一区切りにしてるみたい。
キレーに3分の1づつの、サービス販売高なんだね。
中小企業が数字を綺麗に揃えてきた時は、眉に唾をつけて見たほうが良かったりするんだけど、はてなはどーだろーか。
図4.株式会社はてな サービス別販売高割合 その2*5
ちょうど、主要な取引先として任天堂とグーグルが載ってるので、それを入れてみる。*6
うーん、図4をみて解るように、正直3分の1づつっていうより、コンテンツマーケティングが3割、グーグル2割、任天堂3割、残り1割以下づつって感じ。任天堂の販売高は下がってきてるので、このままだと正直ピンチな感じ?
さて、はてなブログPROは、コンテンツプラットフォームとしての儲けになってるはずなので、図4で見る9.7%ってところになる。
コンテンツプラットフォームだけに限ると、だいたい7割がグーグルで、残りは3割。
最大のPROユーザ数推定
さて、はてなブログPROのの売り上げは最大でも、
2014年8月1日~2015年7月31日(第15期事業年度)の全体の9.7%、
つまり、販売高10億9457万6000円の9.7%だってことは判った。
1億0617万9000円ね。なので、これを12ヶ月で割ると、884万8250円になる。
さらに、全員2年契約の月600円PRO会員だとすると……
- 1億0617万9000円÷12ヶ月÷600円≒1万4748人
というわけで、1万4748人がPRO会員だ!
多いのか少ないのかは、微妙なところではあるけど、例えば無料ブログが150万ブログだとすると、0.98%とおよそ1%なので、結構選ばれし民感はある。
さらに仮定に仮定を重ねるPROユーザー数推定
グーグルの売り上げって、第16期第1四半期累計期間(2015年8月~10月の3ヶ月)が出てるので、単純に今後増えも減りもしないって仮定すると、1年での稼ぎが推定できる。
さらに、新規上場申請のための有価証券報告書のp119に売掛金が載ってる。
売ったけど、まだお金もらってないって金額ね。
このグーグルの売り上げもコンテンツプラットフォームの売り上げで全部アドセンス広告の分だろうから、単純に滞留期間で年間推定してやる。
図5. グーグルの販売高推定含む*7
ほら、売掛金の年間推定と、第1四半期の年間推定とが、ほぼ一致。
もちろん、アドセンス広告の売り上げが現時点から減りも増えもしないって推測になるので未来予測には使えないんだけど、過去の概算には使えるじゃないだろうか。たぶん。
そこで、同じく、新規上場申請のための有価証券報告書 p119の売掛金に注目すると、楽天株式会社が載ってる。エン・ジャパン株式会社や、株式会社集英社に関しては、提携の話題が見つかるんだけど、楽天だけ出てこないんだよね。額も小さいし。
というわけで、この楽天の売掛金も、楽天アフィリエイト広告だと大胆に推測してしまおう。
図6. プラットフォーム販売高比率(推定)
細かい説明は省くけど、楽天の売掛金から年間販売高を推定して、さらに15期と16期の比率から楽天のアフィリエイト広告販売高を出してみている。
すると、このプラットフォームサービスの15.6%、5319万9370円っていうのが、PROアカウントの推定数になる。どうせスターとかはてなポイントとか誤差誤差。
- 5319万9370円÷12ヶ月÷600円≒7389人
はてなプロアカウントの数は、きっと7300人ぐらいだ!
topisyuさんの本の売り方に、新しいお礼の形とブックレビューの未来をみた話
「ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30」は、最初99円で販売されて、その後250円に値上げされたんだけど、最初に飛びついてくれる人をアーリーバード(early bird*1)と呼んで割引価格にするっていうのはクラウドファンディングなどでもお馴染みの手法です。
このアーリーバードが読んで面白かった時にブログで紹介すると、実質的にかなりのお得感が得られるというのは、すごく良くできた仕組みだな!という話をこれからします。
お断りとお詫び。感じ悪く読み取れたとしたら私のせいです。
最初にお断りしておくと、id:topisyuさんが狙ってこの値上げをしたかは判らない。
(引用注:『2.他のブログやTwitterでどれだけ紹介してもらうか』を受けての文)
2の他の人にどう紹介してもらうかについて。これは紙の本と同じで、影響力がありそうな人に献本をしたり、twitterでの好意的な感想をRTするのが効果的だと思います。自分はそこをあまり意識しておらず、ほとんどしていませんでした。まさか、自分のブログの読者以外の人が買われるとは思っていなかったので。
発売から20日で2000部売れた電子書籍作成で得られたノウハウ ~本当はKADOKAWAセールが一番怖い~ - 斗比主閲子の姑日記 購入経路別対策 ~献本、Amazonのレビュー依頼~ より
恐らくは、上記引用部の通り、自分のブログの読者に向けての書籍化を念頭に置かれていたのだと思うので、「topisyuさんが直接紹介→ファンが購入」以外の経路に関しては、おまけ程度(もしくは、どうなるか実際にやって見てみよう)と考えられていたのではないかと思う。
本を紹介すると、お礼される?
知っている人は当然のように知っているんだけど、まあ簡単に振り返り。
小売店の商品を紹介してその結果売れると、紹介料が貰える。
これをアフィリエイトと言い、Amazonで本なら3%の料率。
「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える
- 作者: 水島広子
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 12人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
まあ、正直1冊販売して40円の手数料なら、ちょっとブログで紹介して2,3人が運良く買ってくれるかな?という期待で何かを書くというモチベーションにはならないだろうし、貰って嬉しくないわけではないけど「ああ自分のおすすめで買ってくれたんだ」という精神的な満足感のほうが強いだろうと思う。
3冊売れて117円だし、ジュース買うにも足りないしね。
値引きされたと感じるには
例えば、1404円の本を買って、39円値引きと言われると、なんかこう、微妙だろう。嬉しいけど。
これが、99円の本を買って、7円の値引きと言われると、どうだろうか。まだ微妙だろう。*3
さて、じゃあ99円のKindle本を買って、面白かったのでブログで紹介をした。
書影(本の表紙)を画像で紹介しようとするとAmaon便利なのでそれで紹介した。
知り合いが買った時は、250円になってたとする。すると、紹介料は18円になる。
自分の紹介で3冊売れると、54円だ。
ん?99円で買った本を紹介すると、3人が買ってくれたら紹介料が54円になるの?
それって、実質的に半額になったのと同じなのでは?
つまり、Amazonアソシエイト紹介料率操作
これ、Kindle本紹介料率8%*4が、紹介した人が買ってくれた価格の8%という部分にカラクリがある。
2.5倍の値上げが実行されると、1冊の紹介料が20%に設定されたのと、同じ効果になる。
これが、プロアフィリエイター向けではない、紹介のお礼になる理由
99円から250円と2.5倍の値上げになることで、紹介のインセンティブ*5が高まるのは間違いない。
発売から20日で2000部売れた電子書籍作成で得られたノウハウ ~本当はKADOKAWAセールが一番怖い~ - 斗比主閲子の姑日記 20日で2000冊のまとめ より転載
年末年始に読んで紹介した可能性が高いので、この「他ブログでの紹介」で売り上げのあった数百冊(ここでは100冊とする)は、特にそれを狙ってだとは思わないが、計算してみるとこうなる。
- 値上げ前:99円の紹介料が7円 × 100冊 = 700円
- 値上げ後:250円の紹介料が18円 × 100冊 = 1800円
- 紹介タイミングで、1100円の差になる
単純に、紹介料が2.5倍になるのだから、それは間違いなく嬉しい。
だが、プロがやるなら最初から価格の高い本を紹介すれば良い。
(例えば、さっきの「「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える*6」のKindle版は991円で、紹介料は73円になる。紹介で1/4の25冊売れれば1800円を越える)
販売価格の絶対額が低いので、アフィリエイターのインセンティブとしては、弱い。
だけど、最初に買ってくれた人がブログで紹介までしてくれて、さらにその紹介のおかげで自分のブログ経由では届かなかった人にも届いた。これに応えたいので20%値引きします!というのは、情緒的にも金銭的にも理にかなっていると思う。
しかも、儲けているという後ろめたさが無い
ブログでお金を儲けるというと、忌避感が強い人も居る。
でも、これに対しても絶対額が低いことが、後ろめたさを解消してくれる。
表.250円のKindle本の紹介料
紹介数(冊) | 紹介料(円) |
---|---|
1 | 18 |
2 | 36 |
3 | 54 |
4 | 72 |
5 | 90 |
10 | 180 |
20 | 360 |
確かに、5冊で元が取れてしまうというのは、チョット後ろめたい。だが、20冊紹介しても360円だ。
儲けた儲けたガッポガッポ、とは言えないし、これぐらいなら後ろめたさを感じない。
お得にお買い物はしたいけど、ガツガツ稼ぐのはチョット……という人にも優しい。
まとめると
アフィリエイトは、Web世界の広告の形を変えてしまったと思う。
正直に言って、本当にオススメのモノだけが紹介されているとは、とても思えない。
でも、中身を斜め読みした広告屋さんによる紹介ではなく、本当のファンの紹介なら読みたい。
そうしたファンが後ろめたさを感じずに、紹介で本が割引になると言う仕組みは、とても良いと思う。
しかも、インセンティブ設計として、儲からないが紹介して嬉しいという絶妙なバランスになっている。
KDP*7本の様な玉石混交の素人出版本の世界では、最初に買って中身をレビューするアーリーバードは、著者にとっても後続の読者にとっても、非常にありがたい道先案内人になると思う。
瓢箪から駒ではないが、これは素晴らしい紹介モデルの形になるのではないかと思う。*8
この、「この本ツマンネエわ。嘘でも良いから元取るか」としてブログ書いて買わせるには紹介料が少なく99円程度なら書かないほうがマシ、でも「この本オモシロイわ!紹介するわ!」としてブログに書いて紹介すると、1冊売れる度に20%割引になるわ売れまくっても儲からないので後ろめたさゼロだわって、ほんとうに絶妙で良く出来てて、今日は非常に良い夢が見れそうなのでおやすみなさい。
*1:The early bird catches the worm(早起きは三文の徳)などのように、素早く動いた人の意
*2:この本は本当にオススメなのでtopisyuさんのレビューを読んでから買うのがオススメです「何で私をイライラさせるのか。そんな「怒り」をスーッと消すための本 - 斗比主閲子の姑日記」
*3:Amazonアソシエイトでは、本は3%の紹介料だけど、Kindle本は8%の紹介料になっている
*4:税抜き&1円未満切り捨てなので、実質7.2%程度
*5:その行動を行わせる魅力
*6:繰り返しになるけど本当にオススメなのでtopisyuさんのレビューだけでも読むべきです「何で私をイライラさせるのか。そんな「怒り」をスーッと消すための本 - 斗比主閲子の姑日記」
*7:Amazon Kindle Direct Publishing。Kindle本の自前出版
*8:Amazonアソシエイトは500円貯まらないと支払われないので、250円本だと28冊も紹介が必要なのが実に惜しい
そう言われて見れば!をほんのり皮肉げに、『ぼーっとしている人が「自分の人生に向き合う」ためのQ&A30 [著]斗比主閲子』
「だろう」を変えるファーストステップ。具体的なアクションの入門
首都圏では雪が降る度に、電車の遅延や駅での行列がニュースを騒がせる。
振替輸送先でさらに振替輸送されて、最終的にバスが立ち往生してからメールで出社待機を受け取るなんていう話も、数年に一度のアトラクションだと思えば、腹が立つより笑い話だ。
しかし、これが自分の運転する車となると、笑えない話になる。
いつもと同じだし、あの自転車を追い越してもまっすぐ走る「だろう」。
こちらは直進だし、あの右折車は当然止まる「だろう」。
あの子どもは横断歩道をすぐに渡り切る「だろう」。
そうした「こうして欲しいな」という願望は、普段は意識することもない。
自転車はまっすぐ走り、右折車は待ってくれ、子どもは横断歩道を渡り切る。
しかし、雪が降った次の日なんていう機会には、その「だろう」は悪夢になる。
自転車は追い越す直前になって、ちょっとした雪に滑って車道に転がり出てきて、
右折車はこちらが直進するタイミングで、反射した朝日に気を取られてそのまま曲がり、
横断歩道を元気に渡っていた小学生は、こちらが左折し始めると転んで姿が見えなくなる。
どんなに毎日が変わらなくても、自動車を運転する人が絶対に忘れてはならない、注意の姿勢。
「かもしれない」という意識は、自動車教習所で右から左に聞き流して良い言葉では無い。
これが、こと人生となると、「だろう」と思っていることが突然増える。
不倫をしていても結婚できるだろう。結婚すれば幸せになれるだろう。待っていればいつかうまく行くだろう。「そのうちなんとか、なるだろう*1」というのは、いつの時代も強烈に人を惹きつける。
そんな誰もが少し憧れる、楽観的な希望的観測を、『人生をぼーっと生きている』と冒頭でハッキリ言ってしまうのが本書『ぼーっとしている人が「自分の人生に向き合う」ためのQ&A30』だ。
著者の斗比主閲子は、『お悩みについてサクサク、バッサリ回答しています!』と快活に自著を宣伝しているが、最初から最後までバッサリいかれるのは読者である。人間関係で7つ、男女で7つ、心理で7つ、仕事・お金で9つ。それぞれのQ&Aを読んでいると、何をムシの良いことを、と思う質問もあるが、思わずハッとする質問もある。そして、そのどれにも明快な論旨でサクサク回答が付けられている。
周りの友達は馬鹿ばかり、どうして友達に恵まれないのだろうかという質問に、それはおまえが馬鹿だからだとバッサリ一刀両断にする。友人関係には共通点が必要だ、親しみを感じて友だちになろうとするのは共通点があるからだ。自分の友だちが馬鹿に見えるなら、自身がその程度の人間だと言うのは解るだろう?とあくまでも丁寧に畳み掛ける。しかし、バッサリ切って終わりではなく、いま不満があるならそれは変化の時だ、さあ一歩踏み出そうと優しく語りかける。こうして書いてみると、最初に転ばせ次に切りつけ最後に薬を塗って去っていくカマイタチの手法だが、自分から問いを発している分、悪神に行き合ったという言い訳は通るまい。
もちろん、サクサクバッサリで片がつくほど人生は単純ではないし、人それぞれ事情もあるだろう。しかし、ナタでもってバッサリバッサリ下枝を払って道を作らなければ、前には進めない。藪の中でぼーっとしていれば人生の夕暮れはあっという間で、気が付くとあたりは真っ暗になっている。そうしてから何かを始めても、それはもう遅いのだ。
なんとなく不安を抱えた人がこの本を読むと、他人の悩みが書き下されてアクションが定まる様子を追体験できる。そして、自分の不安も同じように対処可能なのではないかという、まさに人生と向き合う第一歩が踏み出せるようになるだろう。
ただし、表紙の可愛らしいナマハゲのようなモノが大ぶりのナタを振るうような荒療治の追体験なので、ぼーっとしている人ほどご用心。
ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30
- 作者: 斗比主閲子
- 発売日: 2015/12/21
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
競馬で確実に儲ける方法(もしくは彼氏彼女が言い出した時の対応)の話
寒いとお布団からでるのがおっくうでずっと寝てたいですよね。
さて、競馬必勝法はずいぶん色んな人が挑戦してます。
何億円も稼いで税務署と裁判した人も有名になりました。
どうやったら競馬で確実に儲けることができるのか、簡単に振り返りながら、
彼氏彼女親兄弟姉妹がなにか言い出した時に理解するための簡単な話をします。
競馬をかんたんに振り返り
「競馬」は、たくさんのお馬さんの中でどの子が速いのか当てっこする遊びです。*1
入場料200円を払って中山競馬場に行けば、だいたい12レースを観ることが出来ます。
パドックと呼ばれるレース前のお馬さんお披露目会で、どの子が速そうか観察して
馬券(勝馬投票券)を買ってみたり、買わなかったりしながら、実際のレース場に移動
そして、実際のレースでお馬さんが走るのを応援して、どの子が何着になるか見守るわけです。
筋肉の塊のようなお馬さんがのっしのっし歩くパドックは面白いし、レースも結構緊張するよ。
勝馬投票券と配当のお話(めんどうだけど読んでね)
俗に馬券と呼ばれる「勝馬投票券」は、日本の競馬の歴史と共に追いかけると面白いんだけどそれは又の機会。
なんで投票券っていうの?というと、投票した人に配当する方式だから。
これを、パリミュチュエル方式(Parimutuel betting)と言います。*2
一番早い馬を当てる「単勝」という投票だと
- レースで一番早いと思う馬の投票券を、みんなそれぞれ好きな金額で買う
- 競馬主催者が、一旦売り上げを全部ためる
- お馬さんのレース!
- 1番速い馬が決まる
- 競馬主催者が、一定の割合で経費などを取る
- 1番速い馬を当てた投票券の人達で、残りの売り上げを分け合う
日本で競馬を主催しているJRA(日本中央競馬会)は、単勝の取り分を20%にしてる。*3
具体的に書いてみるので、ちょっと電卓を叩いてみよう!
- お馬さん16頭で競争する。1着を当てる。
- 速そうな馬、勝てそうな馬、調子の良さそうな馬と、100人が100円づつ賭ける
- 100人×100円=1万円を、主催者がためる
- お馬さんのレース!
- 1番速い馬が決まる
- 競馬主催者(JRA)が、一定の割合(1万円の20%=2000円)を経費として取る。
- 1番速い馬を当てた投票券の人達で、残りの売り上げ(8000円)を分ける
72人が1着を当てれば、8000円÷72人=110円が取り分。残りの28人はゼロ。*4
え?1着を見事当てても、10円しか儲からないの?と思ったアナタは鋭い。
当てるだけでは儲からない競馬
どのお馬さんが、何着になるか当てる。
儲けるためには当てる必要があるけど、それだけじゃダメ。
狙った馬はピタリと当てる、なんと的中率80%だ!
というと凄そうに聞こえるでしょう?でもダメ。
例えばさっきのような100円が110円になるレースで80%の的中率の場合、どうなるか。
- 10回中、8回はアタリ。100円が110円に。10円×8回=80円の儲け
- 10回中、2回はハズレ。100円がゼロ円に。100円×2回=200円の損失
- 80円の儲け-200円の損失=差し引き、120円の損。
ね?
勝率80%でピタリと当てて見せてても、120円も損してる。
勝率90%でも、90円の儲け-100円の損で、10円損する。
競馬で確実に儲ける手法
ここまでで、競馬は、「どのお馬さんが速いかレースして、当てっこする遊び」というのは判った。
「賭け金ぜんぶから経費を引いた後、当たった馬に投票したひとで分ける」というのも判った。
そして、的中率が高くても、損することがあるというのも判った。
つまるところ問題は、どうやって賭けるか、ということになる。
儲かるときだけ賭ける競馬
実は、確実に儲かる賭け方がある。たぶんみんな習ってる。
例えば的中率が50%だったとする。2回に1回しか当てられない。
この時、オッズ*5が2倍の時にだけ賭けると、こんな感じ。
2回に1回は100円が200円になって、2回に1回は100円が0円になる。
つまり、賭け続けると、だいたい100円に近づいていく。これが期待値。習ったよね?
ここで、的中率がぐっと下がって30%だとする。
オッズが何倍の時に賭ければ損しない*8かは、こんな感じ。
- 3/10 × (オッズ×100円) + 7/10 × 0円 = 100円
- オッズ = 10/3 (≒ 3.33倍)
10回に7回は外れる人でも、3.4倍以上のオッズに賭け続けると負けないことになる。*9
つまり、自分の的中率を知って、どうやって賭けるかがポイントになるワケだ。
じゃあなんで儲からないの?
実はみんな結構当ててくるから。
例えば、4頭のお馬さんが走るとしよう。すると、だいたいみんな同じ予想になる。
たとえば、全部で10万票(10万票×100円=全部で1000万円)が投票されるとする。
経費で20%はとられるので、1000万円*10-200万円*11=800万円を当たった人で分ける。
- 1番:10回に5回は1着になりそう。5万票。オッズは1.6倍*12
- 2番:10回に3回は1着になりそう。3万票。オッズは2.6倍*13
- 3番:10回に1回は1着になりそう。1万票。オッズは8倍*14
- 4番:10回に1回は1着になりそう。1万票。オッズは8倍*15
自分の的中率が50%なら2倍以上のオッズに賭ければ儲かるわけだけど、自分が10回に5回は勝てるかな?と思ってる1番のオッズは1.6倍になってるから、儲からなくなっちゃう。
期待値を計算すると、こんな感じ。
- 1番:5/10 × 1.6倍 × 100円 = 80円
- 2番:3/10 × 2.6倍 × 100円 = 78円
- 3番:1/10 × 8.0倍 × 100円 = 80円
- 4番:1/10 × 8.0倍 × 100円 = 80円
全部儲からないんだね。競馬は賭け続けると結局目減りしていくのか……
ん?と上をみて思った人は鋭い。
そう、2番人気の2.6倍のオッズに賭けた時だけ、より負けてる。
これは払い戻し金額が266円になるのに、10円未満が切り捨てられるから*16。
つまり、全部が全部同じ期待値ってワケじゃない。
自分だけが当てると儲かる競馬
逆に言えば、
自分は10回に3回は1着になりそうだと思ってるのに、
みんなは10回に1回しか勝てないと思ってるとすれば?
例えばさっきの4番のお馬さんは俺は3倍強いと思う!なら、こんな感じ。
- 4番:3/10 × 8.0倍 × 100円 = 240円
自分は3万票ぐらい投票されてオッズ2.6倍ぐらいが適正だと思ってるのに、1万票しか投票されてなくてオッズ8倍なら、その差で、儲けることが出来る!
おお、これなら100万円握りしめて競馬場に行けば、240万円になるかも!
……とは、ならないんだね。
自分だけが投票すると、自分の投票でオッズが変わる競馬
具体的に見てみよう。エクセルがなければざっと見てね。
2016年1月17日(日曜)中山競馬場第一レース、3歳のお馬さんのレース*17だと
この時、10番人気が1着で、1番人気は2着だった。惜しいね。
さて、単勝(誰が1着か当てる勝負ね)は、主催者のJRAが20%経費で取るので、100円賭けて80円戻ってくるのがそのお馬さんの勝つ確率だってみんなが予想してた値になる。
計算するとわかるけど、100回に1回ぐらい勝つとみんな思ってたワケだ。
でも俺は100回に3回ぐらい勝つと思う!とか考えると、240円ぐらい戻ってくることになって、儲けられる!100万円だ!とか思うかもしれない。
でもね、
というわけで、自分が賭けることでオッズが下がっちゃう。
投票数で割るんだから当たり前なんだけどね。
- やりたかったこと:3/100 × 78.2倍 × 100円 = 234.6円
- 実際にやったこと:3/100 × 16.8倍 × 100円 = 50.4円
普通にみんなと同じように買ってれば80円ぐらいだった期待値が、大量に賭けると50円になっちゃう。*20
そういえば期待値の話
期待値って、賭けたら戻ってくる儲かる金額じゃなくて、
賭け続けるとそれに近づくだろうって予想の金額だから、
期待値が240円なら、100円賭けて240円戻ってくるって意味じゃ無いのね。
例えば、100回に3回は勝つ78.2倍のお馬さんに賭けられたとしていても
- 100回に3回は、7820円戻ってくる
- 100回に97回は、ゼロ円。(戻ってこない)
これで、100円賭けて期待値が240円って意味。
しかも、確率的にそうなるだろうって予測なので、100回ぴったりでこうなるとは限らなくて、1000回とか1万回とかやって、だいたい240円に近くなっていくって話。
まとめると
競馬で確実に儲けるには、
- 自分なら何着になりそうか予想ができて
- 自分の予想オッズと、みんなの予想オッズに差があって
- 自分が買ってオッズが下がったとしても、まだ儲かりそうで
- 何百回もゼロ円のハズレが出ても問題ないくらい資金力があって
- 期待値に近づくまで、ずーっと継続的にこの方法で賭け続けられる
という、たった5ステップなんだね。
ね?簡単でしょ?
蛇足的に、万馬券と本当に儲けたい人向けの話
万馬券。
100円賭けて、1万円以上になって戻ってくる投票券。
だれでも確認できる記事*21だと、地方競馬全国協会が公表している当時最高額だった三連単1,300万390円の万馬券がある。
17万6157票のうち、たった1票だけ当たったから総取りになってる。
ホトンドの人が外して、アタリが極少数の投票券が、万馬券。
これ、もうどういう意味か判るようになってるよね。
- 「みんなに人気があってみんなが当たると儲からない」
- 「みんなには人気がないけど自分だけが当てると儲かる」
という、当たり前の結果だね。
さて、いまのJRAの競馬は、9種類の馬券の買い方がある*22。
この9種類、適切に買うのがすごく面倒くさい買い方の馬券がある。
めんどうくさいって言うことは、間違えたり、適当に買う人が居るってことだね。
この「適当に買う人が多い割合」を出して、「適切に買う」と、その差分で儲かったりするかもしれない。*23
儲からないかもしれない。
まあ、めんどうくさいこと考えると、眠くなるよね。それではおやすみなさい。
*24
*1:堅めに言えば、馬の競走競技と、その着順を予想する賭博のこと
*2:主催者が賭けに参加しない馬券購入者間(Mutuel≒相互の)で賭け金を分け合うフランス場外馬券販売機構Pari Mutuel Urbainが方式名の由来
*3:勝馬投票法ごとの払戻率の設定払戻率 単勝より。競馬の予測をガチでやってみた - stockedge.jpの技術メモの*9の支持率は、2014年6月以前のデータを使ってるから改正前の計算式使ってるんだね
*4:実際の計算式はJRA関係法令等の競馬法施行規則p40 付録第6を見てね
*5:投票が当たった時に支払われる金額の倍率
*6:100円×2.0倍
*7:ハズレはゼロ円
*8:100円になる
*9:でも、100円賭け続けて100円になるなら、儲からないからやる意味はないよね
*10:10万票×100円=1000万円
*11:1000万円×経費20%=200万円
*12:800万円÷5万票=160円
*13:800万円÷3万票=260円
*14:800万円÷1万票=800円
*15:800万円÷1万票=800円
*16:より正確には、10円馬券の1円未満が切り捨てられて、10円馬券10枚単位で販売されてるから、10円未満切り捨てに見える。競馬法「第6条 日本中央競馬会は、その開催する競馬の競走及び第3条の2第1項の規定により指定された 海外競馬の競走について、券面金額10円の勝馬投票券を券面金額で発売することができる。2 日本中央競馬会は、前項の勝馬投票券10枚分以上を1枚をもつて代表する勝馬投票券を発売する ことができる。 」「第10条 払戻金を交付する場合において、前2条の規定によつて算出した金額に1円未満の端数があ るときは、その端数は、これを切り捨てる。」
*17:年度別全成績 2016年1月17日(日)1回中山6日発売票数
*18:2551万3200円(全賭け金)-510万2640円(経費20%)=2041万560円÷2609票(当たり券)≒7820円(10円未満切り捨て)
*19:2651万3200円(全賭け金)-530万2640円(経費20%)=2121万560円÷1万2609票(当たり券)≒1680円(10円未満切り捨て)
*20:中山競馬場のレースはみんなが集まる人気の場所なので単勝2500万円ぐらいみんな賭けるんだけど、地方競馬だと100万円台のレースも結構ある。つまり、4万円も賭けたらおんなじような事になっちゃう
*22:単勝式・複勝式・枠連・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単・WIN5
*23:堅めに簡単に言うと、非合理的な買い方を探して合理的に買う裁定取引を行う
*24:このエントリーは、以下のエントリーを読んでから知り合い向けに書きました。面白い話題をありがとう! stockedge.hatenablog.com stockedge.hatenablog.com
はてブで見かける、はてな互助会への異物感表明の話
お友達ブックマーカーによる足あとはてなブックマーク(はてブ互助会)によって、ホットエントリー掲載ブースト行為が横行しているというのは、感覚として違和感がある。
その場合、もっと同じサイトばかりが上がってきて良いはずだし、現在でも同じサイトがホットエントリーに載り続けることが無いよう、調整が為されていると思う。
ポイントになるのは、新着エントリーに載った後に、そのサイトを訪れる人が一定数居て、そのサイトをブックマークする層が一定数居る、ということ。
(※引用注:はてなブックマーク - 収益が月39万を越えたので、ブログで稼ぐポイントをガチで解説するよ - やぎろぐのこと)
これは1000ブクマ越えた記事だが、コメントを書き込んでいるのは1割に満たない。「参考になります」「面白いですね」「すごいですね」とか書き込んでいる互助会はまだマシなほうで、それよりやばい無言ブクマ勢のほうがずっと層が厚いのだ。
はてなブックマークというサービスについて思うこと - しっきーのブログ
これは、ブログでお金を稼ぐ、ブログのアクセスアップを狙う、ブログを応援したい、という人の母数が、かなりの数居ると考えるのが自然だ。
層の厚みとは、つまりユーザー数の多さのことだ。
キュレーションメディアに「異物」が混ざると感じるとき
日常的に英語で業務を行う人から見れば、初学者向けの英語学習エントリーがホットエントリーに並ぶ光景は邪魔かもしれない。
でも、英語学習者互助会という言い方はされない。
同じように、ニュースサイトとしてホットエントリーを使っている人から見れば、あとで読むがずらずらっと付いている機械学習入門エントリーは邪魔かもしれない。
これもテック互助会という言い方はされない。
これらは、「英語を学習したい集団」や「テクノロジーニュースを追い駆けたい集団」が、趣味の一種*1だという理解をされているからだと思う。
だから、「ブログを書きたい集団」という趣味の団体さんが増えた、という捉え方をするのが一番自然なのでは無いだろうか。
これは、プレーヤー(エントリーを書く当事者)とキュレーター(エントリーをピックアップする評価者)とが同じになってしまうからダメ、という視点とはちょっと違う。
キュレーションされたがるプレイヤーとキュレーターの兼任者が多いはてなブックマークのようなメディアは評価軸が狂っていくので、キュレーションメディアとしての役割を果たせなくなるということだ。
プレイヤーとキュレーターの兼任が増えたはてなブックマークは総じてクソ - 太陽がまぶしかったから
多数のキュレーター達が、自身のプレイヤーとしてのブログをメディアに載せているかというと、そんなことは無いのではないか。
少なくともホットエントリーに入ってくるのは「ブログを書きたい集団」にヒットするエントリー*2だけだと思う。
返報性(お返しの期待)を意識したブコメというよりも、有り体に言ってファンの集いに見える。
「誰に」向けたメディアか
キュレーションメディアを、キュレーターによって集められた有益な情報を見る場所とするなら、「誰にとって有益か」はメディア運営方針になる。*3
なんとなく、「誰にとっても有益な情報」を見る場所として、キュレーションメディアという言い方がなされる事が多い気がする。
でもその「誰にとっても」というのは、とても限定された人の事を指しているのではないかな、とも思う。
例えば、前述のエントリーにあるブックマークコメント(ブクマ)に強い違和感があった。
id:sabacurry はてな運営は危機感を覚えたほうが良いと思う。キュレーションメディアとしてはほとんど機能していない。(俺も破壊者の1人なんだけど)
はてなブックマーク - プレイヤーとキュレーターの兼任が増えたはてなブックマークは総じてクソ - 太陽がまぶしかったから
自分は、id:sabacurryさんがはてな匿名ダイアリーを意識的にブクマしていると思っているし、id:masudamasuraoさんとブクマが被らないので、実はたまに見ている。
それは、id:masudamasuraoさんやid:sabacurryさんを、匿名ダイアリーキュレーターとして信頼しているからだと思う。
だから、「危機感」や「破壊者」という単語に、違和感があった。
インターネットのひとが空気のように呼吸している「界隈」の成分が変わったように思いませんか。ブログも、動画配信も、キャラクター消費も、まあその、「界隈」と呼ばずにいられない一連のサブカルチャー領域ぜんたいが、クラスの隅っこでうずくまっていそうな人達の感性に近いところから、クラスの日向で微笑んでいそうな人達にも親和的なところへ、漸進的に変わっていったように思うんですよ。
「俺は2010年代のブロガーになれない」 - シロクマの屑籠
私信の様なので引用するのは気がひけるのだけれども、id:p-shirokumaさんがインターネットを漠然と表現した『「界隈」の成分』というのは、インターネットのひとたちが発する何かなのだと思う。
つまり、インターネットに充満する何かが変わったというよりも、インターネットに生息する人達が変わったのじゃないかな、と。*4
はてなブックマークもインターネットの一部なので、同じような「成分の変更」があってもおかしくないと思っている。
ところで、少し昔の話をする。あるトレーディングカードゲームが好きだった知り合いの話だ。
マジック・ザ・ギャザリング(M:TG)という、ランダムでカードが入っているカードパックを買って来ては自分用のカードデッキを作って、1対1で対戦するカードゲームがある。
英語版がメインだった時代から結構コアなファンが居て、好評を博していた。
好評を博していたとは言え、やはり人と遊びたいとなると、街のM:TGを売っているカードショップがたまり場になった。対戦スペースに集まってみんなでワイワイ遊んだり、大会が開催されたりするのはごく自然なことだった。
さて、遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム(遊戯王OCG)というのが子どもたちに大人気になった。
2009年に世界で最も販売数の多いトレーディングカードゲームとしてギネスに載ったのが最盛期だと思うが、2011年には251億7000万枚の販売数でギネス更新しているし、現在も根強い人気がある。
カードショップも商売でやっているし、人気のあるカードゲームを取り扱うのは自然なことだ。
当然、遊ぶスペースの人だかりや大会の開催は、遊戯王OCGが大勢を占めることになる。*5
知り合いは、結果的に、ずっと懇意にしていた街のカードショップから足が遠のいた。
多少の愚痴は、当時も聞いたように思う。
どうしたら良いのか/良かったのか
はてなブックマークを使うユーザー層をコントロールするというのは、あまり良いことだとは思えない。
それは、新参を排除する古参の行動そのものだし、ユーザー層の拡大は歓迎すべきだと考えるからだ。*6
ある趣味のまとまりを持つものだけを歓迎する、それ以外の趣味を排除するというのも、違うように思う。*7
商利用の排除になると少し難しいところだと思うけど、スパムがホットエントリーを占めるようになれば、スパム汚染という考え方は出来る。
例えば、18禁サイトの排除/隔離は、一番すんなり理解されるのじゃないかな。*8
そうすると、たぶん一番良い声の上げ方というのは、現状の延長線上にあるんだと思う。
- カテゴリを新設する/見直すように求める
- ホットエントリーに表示されるカテゴリをカスタマイズ出来るよう求める
ブログで稼ぎたい人が多くブコメを残す「ブログ総収益系の話題」は、「暮らし」か「テクノロジー」カテゴリに入ることが多い。
「ブログを書きたい集団」の人にとっても、テクノロジーカテゴリのTensorFlowでアニメキャラを見分ける話には興味が無いんじゃないかな。
カテゴリを越境している、カテゴリが汚染されているという声の上げ方は、あっても良いのかな、と思う。
ちなみになんだけど、はてブの新着エントリーは、結構調整されてて外部のサイトが多く出るようになってる。たぶん、自分みたいにはてブを読み専門*9でやってる人からすると、そんな影響ないんじゃないかな。
まとめると
はてブは、キュレーションメディアとして「ブログを書きたい集団」にとって有益なメディアになってる。
今まで地道に濃い内容のエントリーでファンを増やしてきた人達にとっては、急に読者数が増えたはてなブログは面白く無いかもしれない。
でも、はてなブックマークのユーザー層は変わって行くものだし、誰もがユーザーとして参加できるなら、締め出すことは出来ない。
だから「あっちの収益ブログの方が詳細」というコメントは有益で、「収益ブログはウザい」というのは、愚痴になるんだと思う。*10
個人的には、はてブが改修されてスターで大喜利みたいな流れになった時に*11一度離れた経験からすると、きっとこのユーザー層も取り込んでいくんだろうなと思う。
自分にとって「異物」が入り込んだと思ったら、それは「新しいユーザー層を受け入れられない」という生理的なものなんじゃないかな。
教室には自分と同じ感性の人しか居ないと思ってたのに、違う人達がいっぱいやってきて居心地悪い、というのに、良く似た感情。
(でも、世の鏡であるべきか、鑑であるべきか*12という話が出るのは、はてブに対する愛情なのだろうなとも思う)
あと、はてブのカテゴリってなんかずっと大雑把だよね。それでは、おやすみなさい。
*1:興味ある記事に集まるフォロアー
*2:ブログを書きたい人達(=フォロアー)の集まるエントリー
*3:id:bulldraさんは引用したエントリー内で『自分がいるべき場所ではなくなった』と書いてらっしゃるので念頭に置かれているとは思う
*4:id:p-shirokumaさんはまず世間やカルチャーの空気感が変わり、その後で構成人員が変わったのではと述べられているので、自分の感覚とは順序が逆ですが
*5:幸いなことに(という言い方もどうかとは思うが)、遊戯王OCGは結構面白かったので、そちらに参入する人もそこそこ居た
*6:もちろん、野放図な拡大を歓迎しないという考え方もある
*7:もちろん、はてブターゲットを規定して弾くという態度もある
*8:言及しておいてなんだけど、id:sabacurryさんは尾籠な話題をピックアップされることが多いので、知り合いの前では読めないと思う……
*9:そういえばROMとかlurkerとかってだいぶ聞かなくなったね
*10:そういう愚痴をボヤくのにブコメは向いてるけど、偏屈な態度だよねというだけの話
*11:あの改修を改悪だという声は一定数居た思ったけど、少数派だったんだと思う
*12:世の中を反映した鏡なのか、世の中の規範となる鑑なのか、辞書編纂で良く聞く話題
稼ぎかたの話をして、若者を困惑させた話
正月にお年玉を渡した親戚のお子さんから、
「どうすればお金に苦労しなくなるの?」と尋ねられた。
(まあ、真意は「お年玉が多くて嬉しいのでヨイショしたい」だったりするんだろうけど)
そろそろ将来を漠然と考える年頃なのかもなとボンヤリ思ったので、ちょっと真面目な話をした。
楽して稼げる仕事は少ないけど、苦労して稼げない仕事は多い
例えば、安楽を+100、苦労を-100とするなら、+100の仕事はまず無い。
でも、+50の仕事とか、+30の仕事はある。大抵稼げないけど。
逆に、-100だけど、超稼げる仕事っていうのも、ある。
ここまでは想像がつきやすいんだけど、実は-100で稼げない仕事も多い。
-80とか、-50とかは、努力の分だけ稼げると考えたいところだけど、そうでもない。
労多くして功少なし、なんてのはもはや伝わらないのだろうけど、稼げない仕事は多い。
苦労の量と、お金の稼ぎとは、実はあんまり関係ない。
努力と稼ぎも、あんまり関係ない
例えば、ものすごく大相撲に詳しいとする。
過去の情報も正確で、的確な解説もできる。
でも、それをどんなに極めても、公務員試験には合格しない。
同じように、どんなに努力しても、給料が変わらなかったり、評価されない勤め人は多い。
恐ろしい努力をして間違いなく他より美味しくても、立地が悪くて潰れる飲食店も多い。
逆に、まったく努力しないけど、正確に間違いなく仕事を進めることが評価される仕事もある。
他の人の半分しか働かないけど、3分の2の給料をもらっている人なんてのも多い。
どう稼ぐかよりも、どう雇うか考えた方が、的確だったりする
自営業を継ぐとか起業するとかじゃなくても、「自分ならだれを雇うか」で考えた方が良い。
これは、就職活動で、どんな仕事をしたいとか、どれぐらい稼ぎたいじゃなくて、
入社したいと思った企業側なら、どんな人を雇いたいか考えるってこと。
そうすると、例えば大学新卒を30年以上ずっと給料を出して雇うのはどういうことなのか。
その会社が今後10年は儲かりそうな仕事をしているなら、11年目はどうするか。
今儲かってるが今後どうなるか判らないなら、今稼ぐために雇うのか。
とりあえず目についた企業の話を聞いてから面接に行くのと、
自分ならどんな新入社員をどれくらい入れるのか考えてから採用面接に行くのは違うよ、と。*1
蛇足的に、職に貴賎はないが、そう思う人も居る
まっとうな仕事、みたいな言い方をする人は居る。*2
具体的には、失業の心配がなく、給料が充分に貰えて、ちゃんと定期的にお休みが取れる仕事。
これに、自営業(人を雇う)、職人(手に職)、政治家(含む秘書等)を足すと、おおよそ終わり。
銀行に勤めてますっていうのと、フリーランスでWebデザイナーやってますって言うのでは、
親戚が集まった時の紹介としては、年配相手のウケ方が違うものだよ、と。
ウケ以外では問題になることはほとんどないけど、お金を貸してくれる人は、渋るかもしれない。
潰れそうもない会社に勤めてて毎月定期的にお金が入って来る人と、
取引相手がいなくなったら無収入になるかもしれない人とでは、
金を貸す方も、余裕が違ってくる。金利とか金額とかで。
まとめると
お金を稼ぐというのは、苦労とか努力というのとはあんまり関係なくて、どう稼ぐかだったりする。
そうすると、定期的に沢山お金を稼いでる企業に就職すると、苦労なくそこそこ稼げたりする。
逆に、稼ぎにムラがある企業に就職すると、苦労しても稼げなかったりする。
社会的な信用は、借金するときに影響があったりする。
でも、どう稼ぐかの部分で、自分の信念に沿ってるかで職を選ぶ人も多いよ、稼げなくても。
稼ぐよりも使うほうが難しいって言うけど、稼げるようになってから考えれば良いよ。
という話をしたところ、なんだかとても困った顔をしていました。
まあ、十分な睡眠が人生においては一番大切だと思うよ。そんなわけで、おやすみなさい。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、はじめてのスターウォーズに最適
スターウォーズ/フォースの覚醒、大人気ですけど、乗り遅れた人いませんか?
私は乗り遅れそうでしたが、タイミング良く観ることが出来ました。
そこで、大いにオススメしていきたい。
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」予告編
「スターウォーズ」を観たことが無い人にオススメ
ゲームでも「ファイナルファンタジーXI」みたいなの、ありますよね。
1~10までやったことないのに、大丈夫?解るの?という怯え、経験がありませんか。
私はあります。
『スターウォーズ/フォースの覚醒』なら大丈夫!
スターウォーズ最初の一本にオススメです。
なんで、最初の一本にできるの?
スターウォーズは、全部で9本の映画からなるシリーズ構想でした。
エピソード1~6までは映像化完了していて、今回が7作品目です。
最初の1本目は、1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』*1です。
一番最初の映画なのにタイトルに「エピソード4」ってバッチリ入っちゃってるのです。
- スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
- スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
- スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
- スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
- スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
- スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
公開の順序は、4,5,6,1,2,3なのです。
全部観るのには、どう頑張っても12時間はかかる。
今回のスターウォーズのタイトルは、『スターウォーズ/フォースの覚醒』*2。
そう、エピソードいくつ、というのがタイトルに入っていない。
単独一本の作品としてちゃんと観られるようになっている。
これは映画製作者側からの明確なメッセージなのです。
これを最初の一本にしても大丈夫だよ、という。
じゃあ、なんの知識もいらないの?
まったく要りません。単純に楽しめる。
ただし、全てがわかるわけではないというところがポイント。
知らないキャラクターがいきなり出てきたり、ナンカ伝説級の凄い人が居る、みたいな話が出てくる。
でもね、1977年の映画1作目のエピソード4も同じなのです。
エピソード1~3はあった体で話進めてるな、という感じ。
それと同じなのです。
ほんとうに置いてけぼりにならない?
大丈夫。
女性の主人公、名前はレイ。
彼女は、砂漠で墜落した宇宙船から部品を取ってきては売って生計を立てている。
誰かをずっと待っている。
彼女は、ほとんど外の世界を知らない。砂漠でずっと生きてきた。
そして、これまでのスターウォーズのストーリーとは、無縁に生きてきた。
だから、初めて映画を見る観客と、ほとんど同じ目線で今回の騒動に関わることになる。
男性の主人公、名前はフィン。
彼は、軍隊での生活に疑問を感じて、脱走することになる。
もちろん、何故疑問に感じて、どうやって脱走するのかは、ちゃんと映画に描かれる。
彼も、今までの生活から一変して、突然外の世界に放り出される。
だから、初めて映画を見る観客と、ほとんど同じような戸惑った立場にいる。
謎の黒覆面も出てくる。彼もシリーズ初登場。
名前も背景もどうやって出てくるかも、映画で確認して欲しい。
あ、ちゃんと可愛いロボットも出るよ。
くるくる下のボールが回転して、頑張ってついてくるBB-8。