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ねむい季節

今の季節はねむいですよね

Kindleは持って歩く文庫本であって、書棚ではない

自分はいろいろな理由があってKindleをでっかくてキーボードが付いてた頃から知ってるのだけれども、キーボードがなくなった頃に買った。バックライトもついていない、アメリカで流行りだした頃のKindleで、「Kindle Touch」という、後継機がすぐに出て販売期間が短かったKindleを持ってる。
それで、長いこと青空文庫をPDFにして読んだり、シャーロック・ホームズを入れて読んだりとかしてたんだけれども、かなりクセのあるデバイスであることは間違いない。
うっかり間違ってKindleを買わないように、またKindleを買った人が最適な使い方をできるように、ポイントを書いてみたいと思う。
Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi

Kindleは持ち歩く文庫本である

Kindleは、腰を据えて家で本を読むデバイスでは無い。
そこでは紙の本を読もうよ。
白黒だし応答性能は悪いし、紙の匂いもしなければちょっと指を挟んでおいたり、付箋を貼ったり、コピーをとったりもできない。根本的に紙の本とは違う。
そもそも文字サイズが変えられるから紙面も一定じゃないし、読書体験という意味では良いところも悪いところもある。紙の本は、単に紙にインクで情報が載ってるだけじゃない。

ただこれが、出先に持って出るとなると、途端に使い勝手の良い本に化ける。
どんなに分厚くて重たい本でも持って歩ける。判型もKindleデバイス一つだけだし、複数冊持ち歩いても重さは変わらないし、どこに行ってもすぐに続きから読める。
駅の構内で、病院の待合で、バスを待つ間に、長いレジに並んでる時に、新幹線で弁当を食べ終わって、昼休みにベンチで、コーヒーが入り終わる前に。
本当にどんなところでも、何のストレスもなく、続きからさっと読める。さっと閉じられる。
隙あらば本を読んでいたい人間にとって、ほとんど無敵のデバイスになってる。

そして、読み終わった後、他の本をAmazonの売り場から直接買える。
E Ink搭載の電子ブックリーダーとしてのKindleは、販売初期から現在に至るまで、一貫して携帯電話通信網を無料で使ってAmazonの売り場から書籍をダウンロードしてこれる。
どこにいても、携帯さえ通じれば、次の本を落としてこれる。
「すべての本はAmazonで買え、そこにあるから」という傲慢さとも言えるかもしれない。

Kindleは書棚ではない

本を管理することに関して、Kindleは無能だ。はっきり言おう。管理はできない。
例えば1GBもあれば、相当数の本が入る。
たぶん、池波正太郎Kindleで買える本の全てが入る。
ただ、入るだけだ。
鬼平犯科帳を読もうと思ったり、仕掛人・藤枝梅安を最初から読もうと思うと、とたんに面倒になる。とてもやっていられない。ちまちまとKindle内でフォルダ分けをするのは拷問だし、検索も面倒で結果も信頼できるかどうか良くわからない。

結局、Amazonの売り場で検索するのか、ローカルに置いた買い取り済みのAmazonの売り場の縮小版から検索するのか、それだけの違いでしか無い。

それでもなおKindleを使ってしまうのは

Amazonの売り場を手元において、いつでも本が読めるのがKindleの利点。
極端に言えば、それだけがメリットで、それだから自分はKindleを使ってる。

繰り返しになるけど、Kindleは持ち歩く文庫本であって、書棚ではない。
本を所有することに喜びを見出すタイプの人にはKindleは向かない。
また、書棚に集めておくことで新しい何かを生み出すタイプの人にも向かない。*1
足繁く古本屋に通うような趣味の人間がやってしまう、今見つけた時に買わないと次は無いかもしれないという買い方も、実はあまり向いていない。(セールがあるので仕方がない面もあるけれども)

ほとんどの人が、自分の書棚をポケットに入れて持ちだしたり、ドライブするときにシリーズ全冊をトランクに詰めて出かけないように、Kindleも今読んでいる一冊の本を持ち歩くのに特化されている。
ただ、Kindleは本を読み終わった時に、その場でAmazonから次の本を取り寄せることができる。読み終わった本が重荷になることもない。
ただそれだけのことで、それだけだからこそあの当時爆発的に売れたんだと思う。Amazonが偏執的に品揃えに拘るのはそこが理由じゃないだろうか。

そういう意味では、Amazonの品揃えに負けないところがブックリーダーを「持ち歩ける書棚」として売っていくことで一定の地位を築くことは今からでもできるんじゃないかな。*2
少なくともE Ink版のKindleは書棚としては全く使いものにならないし、持ち歩ける文庫本としては別に問題ないからたぶん今後も改善されることはないと思うし、それで良いんじゃないかな*3
それでは良い読書体験を!

今回のネタ元

mercury-c.hateblo.jp
面白い話題をありがとう!
自分は、Kindleでは管理していません。常にそこにはフローがあるだけでストックしていません。Amazonにストックして置けるのがKindleの良い所だと思っているので。(あの本この本と同時に読んだりすることもあるけど、10冊を超えることはないかな)

*1:殆どの研究や、ある種の趣味の場合、書棚に本が蓄積されることが価値そのものだったりする

*2:b.hatena.ne.jpブコメにある通り、すでにそれは始まってると思う

*3:ダメだと思う人がKindleを買うときっと損するだけというのがこのエントリーの趣旨